メモ帳の範疇を超えた何か
誤解が不和を呼び不和が戦いを呼び戦いが悲しみを呼ぶ
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ふたば学園祭8 サンプル(2)
メイドー・ブシドー・「 」
― これはイモゲ・オブ・ナイトメア・リビング・ランド・メイド・ライジング・コール・オブ・ドーン・オブ・スペース・ダイヤリー・ザ・ゾンビ軍団対キャプテン「 」軍団・フロム・ニジウラのはらわた盆踊りしたたり 28レス後……ですか? ―
〈Ⅰ〉

空はWindowsMeがフリーズした時の色だった。
いつの頃から存在しているかも思い出せないくらいの歴史を重ねてきたであろう町――虹裏町。
これから、この町は消滅する!

冬の寒空。季節特有の嫌みを通り越して清々しい気持ちにさせてくれるまでの青の下を寄り添って歩く影が二つあった。
白い息を吐きながら、口から腹の中身を吐きださんばかりに息を荒げながらドラムバッグを抱えて歩く「 」と、軽い足取りで歩く手ぶらのメイド服少女。
「 」は辺りをちらちらと見回しながら、重そうな荷物を抱えながらも注意を振りまくことに余念がない。が、その一方で少女の足取りはあくまで軽い。
もしかすると、この二人はこれからイベントにでも行くのではないだろうか? そう思ってもいいくらいに少女の足取りは軽い。だとすれば「 」が抱えた荷物は売れ残りの既刊誌、在庫の山であり、少女がメイド服姿にオッドアイ、銀髪を赤く大きなリボンであしらった姿であるということにも合点はいく。
しかし、そうではない。
少女の正体はこの虹裏町が生んだメイド、虹裏メイドが一人「イタいさん」であり、体躯の割に猫背で覇気がなく年の割に人生経験不足といった体を漂わせた「 」こそがその主であった。
メイド服に身を包んだ者であれば従者であり、少しくらいは荷物を持っても罰は当たらないだろうに、少女は持とうという気心すらその平らな胸にはなかった。
なぜか?
少女は中二病であったからだ

「主殿ー。 お腹空きましたよぅ。カロリ食べましょう。カロリ」
「あのね……この非常時に気軽なこと言ってくれるなよ。保存食とかホイホイ食べさせられないっちゅうの」
「じゃあコーヒー飲みましょうよ。主殿も寒いでしょ。 だから主殿の淹れたブラックコーヒーが飲みたいです。闇よりも深き黒の珈琲」
「水も貴重品だから。 ましてやお湯ってお前。しかもあれ、ブラックじゃねーよ。砂糖入れてるし」
「マジか」
「おちつけ。だってお前ブラックだと飲めねーじゃん……」
「……」
「…………」
「お湯……」
「サーモス。そんなもの、うちにはないよ……」
微妙で絶妙な沈黙ののち、どこからともなく妙な唸り声が聞こえてきた。腹の虫とも犬のうなり声ともつかぬ、不協和音だ。
恐る恐る、二人が見回すと、そこに《俺》がいた。
しかし、ただのそんじょそこらの《俺》ではない。プリントされている文字が読み取れぬほどに汚れたシャツこそ着ているが、下半身はマッパだ。
しかもムケている。何がムケているかと問われれば皮である。顔面の皮が半分ほどムケているのだ。
なにか、バールのようなもの、モーニングけん玉にでも殴られたのか右の頬肉がこそげ落とされていて、むき出しの口内から並びの悪い歯を覗かせている。
口元から垂れるよだれのようなものと血液が混ぜ合わさって、粘着性に溢れた液体を地面に滴らせている。
身体中は壊疽を起こしていることに加え、目はうつろで正気に欠けている。
そして、これら異常性の極めつけとして、腹に穴が開いていた。向こう側の風景まで見通せそうな、ウルトラマンエースがドラゴリーに開けたような感じの穴だ。
生ける屍、ゾンビである。
「で、デター……」
「 」とイタいさんが声を振り絞って、ようやくリアクションを取る。化物を目の前にしてのリアクションとしてはなかなかだ。
次に、サーッ、っと自身の身体から血の気が引くのを二人は感じた。その直後には寒気を伴う冷や汗のお出ましだ。どちらからともなく、生唾を飲み込む音が聞こえた。自然と呼吸も荒くなる。相手に鼓動が聞こえてるんじゃないか、と思えるくらい、二人の心臓が大きく脈打ち始めた。
一方で《俺》は、だらりとぶら下げていた両腕を上げると、生気のない瞳に漆黒の殺意を浮かばせた。殺る気満々、食欲満々、といったところか。
その顔に歓喜の笑みを浮かばせると筆舌に難いうなり声を上げ、空気を噛んで歯を鳴らすと、二人に猛然と歩み寄ってくる!
「逃げるんだよォーッ!」
「 」がドラムバッグを投げ捨てると、運動不足の身体に鞭打って突然の全力疾走を始める。状況も相まってか、ランニングフォームはかなり酷い。
「え、待ってくださいよ! なァーに! この程度の屍! 我の魔銃《フレスヴェルグ》と《ベルヴェルク》があれば一撃で――」
少女が懐からモデルガンを二丁――プラ板で加工して更にエナメル塗料による袖つき装飾加工済み――を取り出して《俺》に向けようとする。
「ンなもん人に向けてる場合か!」
既に三十メートルほど離れてノンキしていた主殿も、このメイドのトンチキな行動に一瞬ビビった! まさか、自分の家のメイドがこんなに中二病なはずはない。そう思ってた頃が、俺にもありました。
地面を蹴って来た道をもう一度駆けると、イタいさんの襟を掴むと引っ張って更にもう一度走り始めた。
たび重なる全力疾走で、喉から出てくる二酸化炭素が痛い。心臓もさっきの緊張とは別な感覚で大きく脈打っている。

「だいたい! 私は! 悪魔と十四万の間に生まれた! 天使と十歳で! 聖と魔の属性を併せ持った! 究極の†真究極堕天双極光闇絶抜刀牙無限龍クァンタムオメガ型メイド†なんですよォーーーッ!」
「いいから走れよ、ちっきしょぉーーーーッ!」

某年・某月・某日・虹裏町
これは偽りの再生を破壊する物語である――

一方、先ほどの《俺》は走る二人に食いさがらんと走ろうとしたところ「もつれて膝から下を千切らせた後、その衝撃で転がって河川敷に落ちて眼球に木の枝が突き刺さって頭から硫酸を被った後サメに食われる」というピタゴラスイッチな末路を迎えた。
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